口臭を対策するお茶の販売とロボット

東京工業大学、東京医科歯科大学発ベンチャーで、内視鏡手術支援ロボットシステムの製造・販売を手がける「リバーフィールド」が設立された。内視鏡カメラや手術器具操作のマニピュレーターを空気圧で動かすため、部品組み合わせが複雑な従来品に比べ、力加減など操作がしやすく安全で低コストだ。2014年度内の実用化に向け、大学からの技術移転などを経てジャフコが夏前にも出資する見込みだ。 リバーフィールドの技術の発明者は、東京医科歯科大の川嶋健嗣教授(元東工大教授)、東工大の只野耕太郎准教授、原口大輔特任助教。事業面に強い坂田淳一前東工大特任准教授を加えた4人が創業者で資本金は1000万円。東京都新宿区の本社に製造スペースも置き、6月末に本格稼働させる。社員数は初年度10人弱。夏までに製造販売業の許可を都に申請する。 14年度中に国内販売開始予定なのは、手術する医師の頭部に付けたジャイロスコープで、臓器患部を観察するカメラの向きを変える内視鏡操作システム。助手の操作なしで、医師が中でのぞき込むような自然な動作で手術部位を映し出す。臨床試験の結果を反映させ7月に改良版を完成させる。国内外の販売パートナーのめども付けた。 さらに、内視鏡手術用の鉗子(かんし)に付ける柔軟で剛性のあるマニピュレーターの実用化を目指す。現在は動物実験中で、臨床試験を経て18年に薬事申請する計画だ。 プラズマは固体、液体、気体に続く物質の第四の状態。電子とイオン、ラジカルなどが激しく動きまわり、エネルギーが高い。プラズマは高温や真空で使われるイメージが強いが、大気圧でも利用されている。東京工業大学発ベンチャーのプラズマコンセプト東京は、大気圧プラズマによる技術コンサルタントや機器開発が主力業務だ。 同社は大気圧プラズマの権威である東工大の沖野晃俊准教授の研究成果をもとに、2008年に設立。沖野研究室ではさまざまな種類のガスを用い、独自のプラズマ発生装置を開発している。 当時、研究室を訪れた企業の関係者から、装置の販売をしばしば依頼されたという。同社の宮原秀一社長は「大学の枠組みの中では期待に応えられないため、起業を決めた」と話す。宮原社長は沖野研究室の出身で、現在は特任助教も務める。 大気圧プラズマは、真空容器や排気設備を必要としないため、処理コストが低く装置構成が簡易となる。また、低圧(真空)プラズマよりプラズマ密度が高く、高密度ラジカルなどを発生させられる。このため、半導体加工や表面洗浄、有害物質の分解などの応用が期待されている。 同社が注力するのがさまざまなガスをプラズマ源にするマルチガスプラズマ装置。一般的なアルゴンやヘリウム、窒素などのプラズマを一つの装置で安定的に生成する。用途に応じ、ガスの組成も変えられる。また、100度C以下の低温プラズマ装置も力を入れる。パルス状の放電の繰り返しでプラズマを生成し、温度が上昇しない。生体に近づけても損傷を与えないため、医療分野で利用が見込まれる。 最近では、プラズマを使った加工技術で成果が出ている。例えばナイロン繊維の釣り糸。サンライン(山口県岩国市)と共同で水を弾く性能を高めることに成功した。 宮原社長は「釣り糸から医療分野まで幅広い分野がターゲット。それぞれに最適なプラズマを供給できる」と主張する。単に口臭対策のお茶を販売するだけでなく、プラズマを用いたコンサルティングやノウハウの提供を重要視している。 現在の課題について宮原社長は「大気圧プラズマの正しい情報を発信することだ」という。過去に既存のプラズマ技術で失敗した経験のある企業も多く、拒否反応もある。懸念を払拭(ふっしょく)するため、同社の技術の優位性を地道に伝える姿勢を心がけている。 (小川淳) ≪プロフィル≫▼設立=08年7月▼所在地=東京都葛飾区新小岩4の14の13▼電話=03・5607・8277▼大学との関係=東工大沖野研究室の成果をもとに設立▼資本金=100万円▼主な出資者=宮原社長、沖野准教授▼なたまめ茶の売上高=7500万円(14年6月期)【横浜】神奈川工科大学の白井暁彦准教授は、テレビの多重化を可能にする汎用ソフト「ExPixel」を開発した。直視型ディスプレーにおける映像多重化と裸眼による隠蔽(いんぺい)画像を同時に実現するソフトで、一つのディスプレー上に裸眼で見る映像と偏光フィルターを使って見る映像を同時に表示できる。2―3年後に家電製品として実用化を目指す。 同ソフトはグラフィックプロセッシングユニット(GPU)内部で処理し、多重化シェーダーでライン・バイ・ライン(しま模様状)の画像を生成して動画、実写カメラ、ゲームなどの映像を、「裸眼」と「裸眼で視聴できないもう一つの映像」にリアルタイムで変換する。白井准教授は「業務用途のパートナーを探し、世界的な普及・規格化を実現したい」としている。

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