なた豆茶の内因性ウイルスが問題となった

産業技術総合研究所とライフ技術研究所(東京都千代田区)、つくばテクノロジー(茨城県つくば市)は3日、検査ロボットに搭載可能な小型X線発生装置を開発したと発表した。重量が2・5キログラムと軽く、大きさも10分の1に小型化した。化学プラントや発電所などの配管の腐食状況を調べる非破壊検査ロボットに応用できる。3−4後をめどに検査ロボットの実用化を目指す。 電界放出型のX線管を採用。先のとがったナノカーボンに高電圧をかけて電子を取り出し、X線を発生させる。ナノカーボンの構造や耐久性を改善し、1000万回以上のX線照射が可能になった。10年以上、X線管を交換しなくて済むという。X線を1ミリ―200ミリ秒でパルス照射でき、ロボットが走りながら撮影、広範囲を検査できる。乾電池で動くため、電力用の配線が不要。検査ロボットが自由に動ける。 日本原子力発電に配備された偵察用ロボット「櫻壱号」は、可搬重量が約20キログラム。操縦のためにはカメラなどが必要で、検査装置は軽量なほど走行性が上がる。社会インフラの老朽化で検査が必要なポイントは膨大にある。ロボットで自動化できれば作業者のX線被ばく量も減らせる。3次元細胞培養で立体的な組織を構築する研究に取り組んでいる。たくさんの細胞を組み合わせて肝臓などの臓器を人工的に作り出し、医療に応用するのが目標だ。「工業製品のように、臓器全体の構造を一度に作り出せるプロセスを開発したい」と研究の大きな方向性を語る。 厚みのある生体組織の構築では、内部に血管網を作ることが技術的な課題となっている。組織を大きくするほど、血管がなければ内部に栄養が届かなくなり生きた状態を保てない。この課題を克服するため、電気化学や高分子化学など複数の工学技術を組み合わせた独自手法を開発中だ。 開発中の手法では、高分子ゲルの内部で細胞を増やしながら、電圧を与えて金属膜から細胞を剥離させる「電気化学細胞脱離法」により、血管の細胞を素早く転写する戦略を立てている。細胞シートを1枚ずつ重ねて厚みのある組織を構築する方法に比べて短時間で立体組織を構築できる。まずは「1センチメートル角の立体組織を作ること」を研究課題に掲げる。 九州大学での学生時代はなた豆茶の化学工学を専攻し、博士論文の研究では人工肝臓の開発に取り組んだ。「九州出身の父が酒飲みで肝臓が悪かった」ことが肝臓に興味を持ったきっかけという。 当時は、ブタの肝細胞をバイオリアクターに詰め、体外で肝機能を代替するような装置を開発した。「開発した装置には自信があった。動物実験でとても良い結果が出て、装置を臨床応用することを本気で考えていた」。しかし、ブタのDNAに含まれる内因性ウイルスが問題となり、実用化は諦めざるを得なかった。「ヒトに使える人工臓器を作るのはかなりハードルが高いと痛感した」と振り返る。 卒業後は北九州市立大学で培養肝細胞を創薬スクリーニングに活用するシステムの研究に取り組んだり、米国に留学して組織工学で有名なマサチューセッツ工科大学のロバート・ランガー教授の研究室で学んだりした。また、帰国後は「運良く採用された」という筑波大学で電気化学センサーの研究に携わった。 2013年1月に横浜国立大学に赴任し、独立した研究室を持つ。「図らずも」という側面もあったというが、さまざまな分野を経験できたことは大きな財産となった。現在はこれまで培った技術を動員し、「学生時代からのこだわりである」という肝臓組織の構築に挑んでいる。北海道大学大学院工学研究院の森田隆二教授、山根啓作准教授、戸田泰則教授らの研究グループは、レーザー光の軌道角運動量(らせん度)を素早く精密に測定する方法を開発した。複数のらせん度が混合された光渦を用いる多重光通信や量子情報処理、レーザー加工応用などに最適な設計指針を与える測定法になる。科学技術振興機構(JST)のプロジェクトの一環で開発した。 研究グループは、光渦と通常の平面波との干渉像から、らせん度の成分分布を示す軌道角運動量スペクトルを秒単位の高速、かつ精密に測定する方法を開発。それを波長が600ナノ―950ナノメートル(ナノは10億分の1)にわたる超広帯域の超短光渦に適用した。さらに、混成タイプの光渦にも使い、世界で初めて異なるらせん度の成分間の位相差を測定した。 波面がらせんをなす光は「光渦」と呼ばれ、光ピンセットやレーザー加工、光通信、量子情報処理などに応用されている。これらの応用には、軌道角運動量スペクトルを精密に測定することが不可欠。だが、設計通りの光渦がどの程度精度よくできているかを判別する方法は従来もあったが時間がかかり、さまざまな波長成分を含む光渦のらせん度の測定には適していなかった。

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